銀色の歯〜銀歯について〜
銀歯について
口の中に銀歯が存在してる方は少なくはないと思います。
銀歯は約50%銀,20%パラジウム,12%金,約20%銅,数%インジウム等で組成された合金でつくられています。メリットとして保険が適用される為、治療費が安価という事がありますが、今回は銀歯のデメリットについて説明いたします。
①銀歯の内側で虫歯になっていることが多い
金属と歯の表面は厳密に言うとくっついているのわけではない為、経年変化(金属に対する噛む力、金属のイオン化による劣化等)により金属と歯の間にあるセメントが破壊され虫歯菌の侵入を許し、再度虫歯になるリスクが接着性の優れたセラミック系の材料に比べて高いといえます。同じ金属系の金歯と比べても銀歯の性質上、加工精度に限界があり精密さに劣る事により隙間が生じたり、噛む力に対する金属の柔軟性が乏しい為、つけているセメントの破壊につながり虫歯菌が入り込んで上記と同様に再度虫歯になるリスクが高いといえます。
銀歯の寿命は平均8年といわれていますのでそれ以上経過している銀歯がある方は、定期検診時レントゲンで虫歯になっていないか検査してもらうと良いでしょう。
②歯周病の進行原因にもなる
歯周病の原因の1つにプラークの磨き残しがあります。金属の表面は天然歯やセラミック系の材質に比べプラークが付着しやすくまた落ちにくい為、歯周病の進行の原因にもなります。
③歯科用金属アレルギーになるリスク
銀歯はイオン化されやすく口腔粘膜や消化管から吸収され体内へ金属イオンが流れ込み血流よって全身に運ばれ汗などを介し金属アレルギーを引き起こす場合があります。発症頻度は高くはないが皮膚疾患の原因の一つになりえるものといわれております。
金属と接触している部位に症状がでる普通の金属アレルギーとは異なり口腔内と離れている手や足、背中、腹部、胸部、顔面、頭皮などに皮膚疾患が発症する事が多い特徴があります。一度発症するとその金属を除去してもすぐに症状が無くならない事も多く半年~1年程治癒に時間がかかることがあります。また、診断も原因物質を除去して改善する事で初めて確定できる為、その他の皮膚疾患と見分けが難しくアクセサリー等に反応しなかった方も突発的に症状を起こす為、心配な方は可能な限りイオン化しやすい金属を口腔内に使用しないよう心がけましょう。
④ガルバニー電流が起きる
銀歯は電気を通すため、口の中に異なる銀歯や金属(食事中のスプーンやフォークなど)が存在すると、その金属同士が接触することによってプラス極とマイナス極になり電流が発生します。この時の電流をガルバニー電流といいます。
ガルバニー電流により金属がイオン化しセメントが劣化をおこします。
⑤審美性が悪い
銀歯は名前の通り、銀色ですから笑った時、口を開けた時に見えてしまいます。アジア以外のほとんどの先進国では美しく白い歯や歯並びの良さはとても価値のあるものとされ社会活動に影響があるほど審美性を大事にされている様です。
*銀歯にはこの様なデメリットがあります。
以前はメタルフリーの材質(セラミック系、保険適用のコンポジットレジン等)は適合性や物性に問題あった為、欠けたり削れたりする症例が少なからずありましたが近年、CAD/CAMの歯科への応用、金属の高騰及び人体への悪影響から新しい材質の開発が進み予知性が高くなった事から金属を優先して使用した方がいい症例はほぼ無くなったと言っていいと思います。
銀歯が古くなってしまった、銀歯を白く変えたいなどお悩みのある方はぜひ一度受診してみてください。